モバイルタスクの背後にある科学

認知テストが早期に、そして頻繁に行われたらどうなるでしょうか?人々が日頃の行動を変える力をつける事が出来たら?認知の研究が、健康を改善するためにパーソナライズされた、シンプルで実行可能な推奨事項を提供できるとしたらどうでしょうか?患者の病状を改善する為に、危険因子とデジタルバイオマーカーを検出することの影響力を考慮する。これがサボニックスの価値です。

私達は、認知、生活習慣、その他健康情報の強力なデータベースを活用して、脳の健康を長期にわたって評価および観察をします。私達の神経認知学的テストは臨床的に証明されており、瞬時言語記憶と遅延言語記憶、衝動抑制、注意力、集中力、感情識別、情報処理の速度、柔軟な思考、作業記憶、実行機能、視覚的学習能力、空間記憶に関する結果をリアルタイムに提供します。

認知症における記憶の役割

記憶障害は、必ずしも認知症の初期症状とは言えません。研究結果によると、後に認知症を発症する最大 20%の人が、初期段階では記憶障害の兆候が無く、そして 1 つのドメインのみで確認された障害は陰性である事が多いというのです。これに対して、マルチドメインの評価を行うと、幅広い認知問題を早期に発見する事ができるので、後に認知症を発症する最大 60%の人が、軽度認知障害(MCI)の段階でマルチドメインの障害に気が付く事が出来ます。

後に認知症を発症する 20%の人が、初期段階で記憶障害の兆候は無いと示している。

後に認知症を発症する 60%の人が、初期段階でマルチドメインにわたる機能障害がある。


言語記憶認識課題

この課題には、瞬時そして遅延言語記憶認識が含まれています。1916年に、エデュアール クラパレードが、Test de mémoire des mots(言語に対する記憶テスト)を出版しました。これは、認知機能を測る為の15の言葉が載っているリストと、その説明がセットになっているものです。(Boake, 2000)
これは、アンドレ レイの聴覚言語学習テストの基礎であり、その後に続くのが、サボニックスの言語学習課題を含む言語学習テストです。(AVLT; Rey, 1964)
クレパレードのテストは、初代のものから修正されておりますが、過去およそ100年間使用されています。そして同様のテストは、言語記憶を認知評価する分野において「ゴールドスタンダード」と認識されています。

レイAVLT(聴覚言語学習テスト) (1964; Schmidt, 1996) は、サボニックスの言語学習課題の基となっているものです。現在使用されている多くの言語学習用テストのように、記憶と密接な関係のある言葉のリストを患者に提示します。患者は元のリストが見えなくなった直後に、単語を思い出す能力について試され、その後最短15分後にもう一度単語を覚えます。AVLTの認知検証は、サボニックスの課題に最も似ていて、テスト・再テストの信頼性が高い事が実証されており (r= 0.72; Delaney, et al., 1992)、そしてAVLT全体として、患者と管理者の間を識別する為の能力という面において、他のテストより効果があるのです。(Powell, Cripe, & Dodrill, 1991)
学術雑誌検索ツールGoogle Scholarには、聴覚言語学習テストを参照する19,900の記事が掲載されています。

信号課題

信号課題は、応答抑制力と衝動抑制力を測定する為に、研究および臨床診療において幅広く使用されています。アレクサンダー・ルリヤの非常に大きな影響力のある著書、人間の高皮質機能(2012年、初代出版1962年)でルリヤは、被験者にさまざまな聴覚刺激を提示する方法について説明しています。この課題は、被験者に2つの刺激が提示され、1つに応答し、他の刺激には応答し無いようにするものです。ルリヤによって使用された他の方法のサボニックス版では、スクリーンに緑の円が頻繁に表示され(進む)そして赤い四角がまれに表示される(進まない)というものです。この課題は、赤い四角が表示された時にはスクリーンをタッチしない様にし、緑の円が現れた時は素早くタッチするというものです。視覚刺激版は、過去60年に渡って幅広く使われて来ました。神経画像研究では、前頭葉機能が信号課題のパフォーマンスの根底にあることがわかっています。この従来の方法のサボニックス版では、モバイルタスクが応答の正確さ、応答の精度、応答時間、および作為または不作為のエラーを測定します。このデータは、自動応答を抑制する能力を評価するために使用されます。

言語干渉

サボニックスの言語干渉テストは、ストループ効果を基に作られています(Dodrill、1978)。ストループ効果は、認知コントロールと処理速度の正確な測定方法として、過去50年に渡って臨床から研究まで幅広く使用されて来ました。ジョン リドリー ストループは、1935年にこれに関する研究を最初に英語で発表しました(Stroop、1935)。

N バック

サボニックスのNバックテストは、ミュリエル D レザックの本、神経心理学的評価(2004)の中で説明された方法に基づいています。この課題は過去20年間、研究において幅広く使われています。Nバックの最初の例は、ドブスとルールによる老化の心理学(1989年)に書かれています。サボニックスの課題は、スクリーン上に一連の刺激がユーザーに対して表示され、現在の刺激が、その順序内で「N」ステップよりもひとつ前のものとマッチするかどうかを示す様に求められるというものです。負荷率「N」は課題を更に難しく、または易しくする為に調節が出来ます。1-Nとは、そのアイテムのひとつ前の位置を覚えなければならいといった意味です。2-Nとは、そのアイテムの2つ前の位置を覚えなければならいという意味です。1バックは、子供の評価、2バックは大人の評価に使われます。結果は、応答時間と、正解・不正解の数によって変化します。これは、持続的パフォーマンス課題において、持続された注意力を測定するものです。Nバックはまた、どのくらいの量の情報を一時的に記憶し、必要に応じて新しい情報に切り替える事が上手に出来るのかという作業記憶をテストする事も出来ます。Nバックは一般的に、統合失調症や多発性硬化症の様に、作業記憶に乏しい障害を持った患者を評価する為に使われます。(Sweet 2011)またこの課題は2000年代に、流動性知能を発達させるという事で、メディアの注目を集めました。彼のアイディアは、イェギ達による研究に基づいています。(2008)この研究は、Nバックを介しての作業記憶のトレーニングが、推論と問題解決の課題でより良いパフォーマンスを発揮する事に連結しているというものです。 学術雑誌検索ツールGoogle Scholarには、Nバックテストを参照する11,700の記事が掲載されています。

感情識別

サボニックスの感情識別課題は、研究で使われる臨床試験計画表(例、Hornak, Rolls, & Wade, 1996年)に基づいて作られました。エクマンとフリーセン(1975)の表情に関する先駆的な研究は、この研究の基礎を形成し、何十年もの間研究的環境内で使用されてきました。この課題のサボニックス版は、さまざまな表情(驚き、恐怖、嫌悪、幸せ、悲しい、中立)の顔画像を使用します。顔の感情認識は、社会的に不適切な行動を示す脳損傷患者のリハビリテーションに深い意味を持つ複雑なプロセスです。ホ-ナックとその同僚(1996)は、不適切な行動を示した前頭葉が損傷している患者も、感情の表情認識の障害を示したことを発見し、これらの領域がこの課題に関係していることを示しています。

帰り道を探そう課題

帰り道を探そう課題は、レイタン(1958)によって開発された由緒あるテストに基づいており、開発以来頻繁に使用されています。この課題のパート A は、視野のスキャンと情報処理の速度を測ります。ユーザーには、画面上に 13 個の数字(1〜13)のパターンが表示され、数字を昇順(つまり、1、2、3 ...)でタッチする必要があります。各番号が正しい順序でタッチされると、数列内のすぐ前の番号、または文字に接続するために自動的に線が引かれます。これにより、ユーザーはタッチされた進路を視覚化できます。結果は、完了までの時間と、正しい応答の数と誤った応答の数によって異なります。

この課題のパート B は、認知の柔軟性と注意力の切り替えを評価します。ユーザーには、画面上に 13個の数字(1〜13)と 12 個の文字(あ〜す)のパターンが表示され、数字と文字を交互に昇順(つまり 1、あ、2、い、3、う)でタッチする必要があります。各数字または文字が正しい順序でタッチされると、線が自動的に描画され、順番内のすぐ前の数字または文字に接続されます。これにより、ユーザーはタッチされた進路を視覚化できます。結果は、完了までにかかった時間と、帰り道を探そうパート A の結果と比較した、正しい回答数と誤った回答数によって異なります。教育と年齢のレベルは、点数に最も影響を与える 2 つの要因です。より教養がある人はより良い点数をとる傾向があります。精度に関しては、年齢に関わらず比較的一定のままですが、高齢の被験者は課題を完了するのに時間がかかる傾向があるため、点数が低くなります(Meyers 2011)。スナイダーは、2013 年に大うつ病性障害(MDD)の患者を対象に、実行機能の神経心理学的測定を説明する研究のメタ分析を実施しました。そのメタ分析によると、MDDの患者は帰り道を探そう A、B 両方において更に悪い結果を出しました。帰り道を探そうテストは、学術作品で 1,300 回以上引用されています(Reitan 1986)。全体的に、アカデミック検索ツール Google Scholar は、帰り道を探そうテストに関する 48,100 件の記事を記録しています。

迷路課題

迷路学習は、人間と動物両方の、特定の学習機能と記憶機能を調査する為に使われる、古典的且つ実験的学習方法の事です。多くの迷路課題が存在し、神経心理学的検査の豊富な歴史があります。例としては、ポルテウス迷路(Porteus、1965)およびNAB 迷路(Stern and White、2003)が挙げられます。サボニックスの迷路課題は、ミルナー(1965)によって報告された手順に似ています。ミルナー迷路は、オースティン迷路と呼ばれることもあります。ミルナーの課題では、釘が木の板に取り付けられており、またその板には何も印がありませんでした。被験者は試行錯誤しながら「迷路」の道を発見する必要がありました。被験者が金属製のペンでボルトに触れると、正しい道筋にいる場合は警告音がします。サボニックスのテストは、原則としてミルナー迷路に似ていますが、迷路はデバイスの画面に表示され、聴覚ではなく視覚的にフィードバックが提供されます。ミルナー(1965)の研究では、海馬、前頭葉、および小脳の病変に対する迷路課題の感度が調査されました。

複雑な図形のコピー課題

サボニックスの複雑な図形のコピー課題は、レイ(1964)によって最初に開発されオステライト(1944)によって標準化された図形テストに基づいています。レイ&オステライト複雑図形テスト(ROCF)は、視覚空間記憶を測定するものであり、注意力、計画力、および実行機能を評価するために臨床的に使用されています。ROCF、または同様のテストは過去50年間使用されており、高い信頼性と内容の一貫性を備えています(Berry、1991)。サボニックスの複雑な図形コピー課題では、タッチスクリーンディバイス用に、レイとオステライトによって開発された方法を適合させます。ROCFと同様に、サボニックスの複雑な図形コピー課題の結果は、元の図形に対する再現された図形の正確さ、そして機能の正確、不正確の測定によって異なります。ROCFと一致して、少なくとも15分の遅延期間の後、被験者は記憶から元のデザインを再描画しようとする事が出来ます。遅延の合図と自由想起の典型記憶両方が、アルツハイマー病の評価する為に重要な手段であると特定されています(例:Papp et al、2015)。高齢者は、若年者と比較して、複雑な図の課題を完了するのに時間がかかる傾向があります。この課題は認知症(Bigler、1989)および子供の認知発達(Anderson、2002)を評価するために一般的に使用されています。また、British Medical Journalで発表された研究では、アルコールを適度に飲む事は脳に有害な結果をもたらすか調査する為に、この課題を使用しました(Topiwala、2017)。学術雑誌の検索ツールであるGoogle Scholarは、複雑な図形コピーテストに関する16,800件の記事を掲載しています。

ディジットスパン

サボニックスのディジットスパン課題は、ウェクスラー成人知能検査(Wechsler、1994)のディジットスパンサブテストに似ています。前方ディジットスパン課題は、一連の数字がデバイス画面に一定のレートで表示されるという臨床試験によって構成されています。各試験の直後に、ユーザーはキーパッドで数字を点滅された順に入力する必要があります。逆ディジットスパン課題では、ユーザーは数字を逆順に入力する必要があります。連鎖の長さは3〜10の間で変化し、各長さに対して2回試みる事ができ、試行は昇順で表示されます。参加者が2回の試行に失敗、もしくはすべての試行が完了すると、課題は終了します。結果は、前後に正しく完了した最長の長さによって異なります。この課題は、注意と作業記憶の測定方法として使用されます。多くの場合、注意欠陥障害を持つ患者を評価するプロセスで使用されます。ルデランド デッカ(1974)は、脳の異なる半球が前方と後方のディジットスパンに関係していると判断しました。左半球の機能障害がある人は、前方ディジットスパン課題において欠陥がありました。一方、右半球の機能障害がある被験者は、対照群と比較して後方ディジットスパンでの成績が悪かったのです。7桁以下のディジットスパン点数は、健康なコホートおよび脳損傷コホートの高い特異性と関連しています(Etherton 2005)。ディジットスパンは、音楽教育が認知機能を改善するかどうかを評価するために、グラミー財団の資金提供を受けた研究で使用されました(Zuk 2014)。またこの課題は、ロウ等により、鉄サプリメントが貧血の子供の認知力を改善したかどうかを判断する際に使用されました。(2013)。

参照

1. Nordlund、A.、Rolstad、S.、Klang、O.、Edman、Å。、Hansen、S.、&Wallin、A.(2010)。ヨーテボリMCI研究におけるMCIサブタイプと病因の2年間の結果。 Journal of Neurology、Neurosurgery&Psychiatry、81(5)、541-546。

2. Hessen、E.、Reinvang、I.、Eliassen、C. F.、Nordlund、A.、Gjerstad、L.、Fladby、T.、&Wallin、A.(2014)。実行不全と健忘障害の組み合わせは、若い軽度認知障害患者の認知症への転換を強く予測:ヨーテボリ-オスロMCI研究からの報告。痴呆および老人性認知障害エキストラ、4(1)、76-85。